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インドレポート

2014年には世界遺産に登録される予定のインド・グジャラート州のアーメダバード城壁都市。1000年以上前から中東とアジアの中継地点として栄え、スパイスや織物が取引されている。インダス文明、ヒンズー教、仏教の影響も受けて、文化遺産、寺院、博物館の保護に対する意識は強く、今後、外国のNPOや政府と連携して建物保存や清掃活動を積極的に行いたいという姿勢が見られます。

4月26日、インド、グジャラート州アーメダバード市にあるガンジーアシュラム博物館にて博物館長のAmrut Modi氏に会いました。ガンジーアシュラムとはマハトマガンジーが勉学に励んだ場所。敷地内にはガンジー活動関連のレクチャーホール、歴史博物館、図書館や書籍店があります。日本人観光客がここ2,3年で増え始め、特に8月と12月の繁忙期には一度に10人から20人の団体で博物館を訪ねるほどの数になると述べました。英語のパンフレットでは日本人が博物館を理解できないという苦情が出る事から、博物館を支援する形で、パンフレットのボランティア日本語翻訳を依頼されました。

4月27日、アーメダバード市役所ヘリテージプロジェクト副局長のP.K.Vasudevan Nair 氏と会うことができました。Nair氏はアーメダバード城壁都市が、2013年、UNESCO世界遺産の候補になったこと。マラッカとベニスが推薦、2014年には北京、マラッカ、ベニスに並ぶ世界遺産に登録されると説明しました。城壁都市内での家屋や建物はスペインやイタリアのNGOや政府が歴史的な重要建築物として建物保護と支援活動を行っていると言われています。歴史的にもインダス文明とスパイスロードの交易として知られるグジャラート州はヨーロッパからの観光客を中心に観光客が増えています。しかし観光客が持ち込むペットボトルのごみ処理は増える一方です。ペットボトルやその他軽量で燃えるごみなどを対象にした清掃活動を観光景観の維持と向上を目的として、文化遺産を見学しながらできる限りの協力をしてほしいとお願いがありました。

5月8日、アーメダバードに拠点を置くインドでは大規模NGOの一つ、Self Employed Women Association、Namrata Bali会長と会いました。インダス文明と南アジア文化の影響を持つグジャラート州は観光・文化促進が必要。そのためにはサービス業やコミュニケーションの分野においての女性の地位確立の意識改革が求められると主張しました。女性は家事手伝いや家庭内での掃除の役割だけではなく、ホスポタリティーを持つ接客業やサービス業に適しており、国際観光都市を目指すには女性の人材養成が不可欠と強調しました。SEWAは40年前に設立。140万人のボランティア会員。現在、女性地位向上の一環として、独自のラジオ局を設立して女性の地位や平等を訴えたり、女性カメラマンを育成して女性の暮らしや職場事情をドキュメンタリー取材して海外へ伝えたりしています。社会の意識改革の一つとして、世界遺産候補になっているアーメダバード城壁都市内の掃除活動や文化遺産の重要性を議論する意識改革フォーラムのセッティングなどはSEWAの立場として必要な行事であると理解すると説明しました。季節的に涼しい秋から冬にかけて、日本のNPO、特に日本人女性たちと一緒に掃除活動や討論ができることを期待すると会長は述べました。

5月9日、グジャラート州観光局のVapul Mittra局長に会いました。Mittra局長は歴史的なつながりから、ポルトガル、スペイン、そしてインドネシアからの観光客が多い。さらにガンジーアシュラム、インダス文明や織物工芸に興味を示す日本人観光客も多いとのこと。グジャラート州はそのような文明と宗教の交差点。タージマハールやマザーテレサ観光と同様にグジャラート州の遺跡や博物館のへ訪問の期待と、さらなる日本からの観光客の増加と文化交流の促進を訴えていました。近年では日本企業専門の工業団地や国際見本市の開催が開かれ、アーメダバードの国際的地位は、デリー、ムンバイに次ぐ規模に発展しているそうです。そのような状況下で文化遺産保護活動や博物館の支援について、国内外からの助言や協力が必要だと言われました。秋には文化遺産保護の会議がアーメダバードで開催。S.A.Mに対して海外NPOオブザーバーとして出席を強く期待されました。