アジアにおける遺跡の保護活動、博物館運営支援の必要性
Save the Asian Monumentsのコンセプトは“アージを守れ”です。アージ(ドイツ語でAsyle)は、“聖域”を意味します。現在、散見される古代遺跡は、古代においては“遺跡”ではありませんでした。古代人にとって、そこは聖域であり、聖なる場所として信仰の対象であったり、権力の象徴であったりしたはずの場所です。そうした場所やそこから出土した遺物は私たちの文化の起源を明らかにしてくれる重要な場所やモノたちです。こうした聖なる場所やモノが、現代社会の利害や価値観による対立から勝手に戦場にされたり、武装勢力の隠れ蓑にされて、破壊や崩壊、略奪の危機に瀕してしまうことは悲しいことです。また、内戦や紛争ばかりでなく自然災害で、あるいは国家財政が潤沢でないという理由で文化財の保存活動に支障をきたすという問題を抱えているところも数多くあります。
イラク バビロン遺跡 この写真が撮られた当時、遺跡の周囲は地雷原となっていた。このアングルから写真を撮るのは命がけであった。
ただ、その国の文化や文化財はその国の人々のものであり、その国の人々が守るべきものです。したがって、外国人や専門家でもない一般人が「文化財を守れ」などと言っても理解してもらえません。
私たちは、一般の人々がアジア地域の文化や文化財を守る活動として、以下のような具体的な方法を考えています。
・地域の文化や文化財を守る拠点となり、多くの専門家が研究や保護活動に専念する場所はミュージアムです。しかし、ミュージアムは一般の大衆に開かれており、そこに住む人々や地域社会に支持されなければ存続できません。したがって、私たちはみんなんがミュージアムに集まる支援となるような活動。さらに、衰退しつつある文化(行事、風習)を紹介する活動。
・アジアの文化遺産を守るためには文化・歴史や文化財に対する理解が必要です。そのために私たちは文化交流や異文化理解のためのスタディトリップや学校交流。
SAMの活動方針
- あくまでも遺跡や文化財の保護、博物館への支援をお手伝いすることが目的
- 政治や宗教とは一線を画すことが重要
- 特定の国の国益や意向に左右されないためにも、中立であるべき
組織
代表・理事長 | 中山信一 [都内私立高校元教諭] |
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副理事長・海外側責任者 | 高橋たつや(トニー高橋) [中東コーディネイター・オフイスtashikasa主宰] |
理事・監事 | 2名 |
事務局 |