スリランカレポート
2013年年末から2014年始にかけて、スリランカミーガンマーナ寺訪問とMAXIMUSぞうさんペーパー工場を視察しました。スリランカ・キャンディ郊外にあるミーガンマーナ寺にて高僧と会い、これからの国際文化交流について意見交換を行いました。またMAXIMUS社の経営するぞうさんペーパーの工場では象の糞をリサイクルしてペーパーにして再生していました。環境文化として非常に勉強になり、今後の参考になりました。滞在中、ご住職、工場スタッフの方、通訳の方、いろいろお世話になりました。
(1)ミーガンマーナ寺
1600年より続く古寺とのことです。コロンボより4時間半、キャンディ市街から約1時間の山の中にあるお寺です。寺には村人が四六時中訪ねてきて、様々な相談事や寄合などが行われています。村人の生活に仏教が根付いており、人々は素朴で厚い信仰心を抱いていました。
(2)正月行事
1月1日、朝7時と夕方6時になると村人たちが集まってきます。ご住職の読経と講話を聴くためです。夕方には一人ひとり灯篭を灯してお寺の広場に座ります。そこで、大僧正の読経と講話に聴き入ります。この間、一人も雑談する者がいません。また、ご住職が読経をするときには一緒に唱和します。お経の文言が頭に入っているのです。これは、子供から年寄りまで同じです。厳粛で静かな正月行事でした。
(3)子どもたち
今回、寺に日本語を習いに来た生徒と一緒に写真を撮りました。中央が私とご住職です。みんな明るく元気でなおかつ熱心に日本語を学んでくれました。
(4)工場見学
これが「ぞうさんペーパー」の原料。象の糞です。象は完全な菜食主義者なので、糞が臭いません。成分はほとんどがバナナやココナッツの食物繊維だそうです。これを右端のボイラーで煮詰めて、古紙の原料と混ぜて使います。
紙を漉いているところ。あらかじめ紙の色を決めて染料を混ぜて漉いています。すべて手作業で行います。これを圧縮して天日に干して出来上がり。出来上がった製品はメモ帳や手紙、バースデーカードやカレンダー、あるいはビジネス用の高級紙として輸出されています。輸出先はアメリカ、韓国、日本などだそうです。収益は工場近くにある象の孤児院の運営費として使われています。
工場はスリランカ全体で6か所あり、従業員は300人を超えるということで、現地雇用にも貢献しています。
孤児院の象たちです。孤児院全体で70頭以上います。スリランカの緑が失われ、森を追われた象や親を亡くした象、長引いた内戦で地雷を踏んで足を無くした象などがいました。